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人工骨:オーダーメイドによる額形成

人工骨:オーダーメイドによる額形成

人工骨

人工骨は採骨の犠牲がなく、骨再建や骨増量を行うことを目的に、組織親和性が高く、周囲の骨組織に同化する材料を目指して開発がすすめられてきました。現在、臨床的に王朝されている種々の人工骨はそれぞれの物性による利点、欠点を有しています。
特に組織親和性、吸収性、加工性、操作性などに大きな違いがあります。
移植床の状況と人工骨の特性を理解したうえで、選択、使用することで良い結果が得られます。

将来的な理想は、適用した部位で周囲の骨と同化して、正常な骨と同様に機能することです。

人工骨の意義と発展方向

骨の増量を目指す場合には、他部位からの骨を移植という形で補うか、あるいは人工骨で代用することになります。
実際には遊離骨移植では採取部に骨性の犠牲を生じます。その上母床骨組織から一定距離隔たった移植骨部分では血流循環がないか、少ないかでリモデリング機序が維持されずに骨吸収が進みます。
そこで採取部の犠牲が生じいない人工骨による代用が想定されます。人工骨はその特性から大きく票のように分類されます。
人工骨に共通する必要条件は、組織毒性や発がん性がなく、組織親和性が良好で、形状が安定し、一定の強度を有することです。
現在臨床応用されている人工骨は吸収性や強度に差がありますが、適応を厳格にすることにより一定の良い結果が得られております。
より理想的な骨再建の方向として、人工骨が接する受容骨と同化することを目指して、人工骨辺縁にβ―TCPを置いて骨の伝導性を高めたり、骨形成蛋白(BMP)を応用して、人工骨に骨誘導性を持たせることにより人工骨全体が骨となり、母床骨と同化させたりすることが考えられています。

人工骨の種類

I. 生体活性人工骨

ハイドロキシアパタイト(HAP)
骨基質の約70%を占める成分です。そのために組織親和性が良好であり、周囲に析出したアパタイト層を介して骨と化学的に結合して、骨伝導性が良いのが特徴です。
一般に多孔体や顆粒体で用いられます。
骨補填材としては伝導性と強度から気孔率50~70%程度の多孔体が用いられています。
100~300ミクロンの孔が相互に連続する多孔連通構造であるため、骨細胞の侵入に適しています。手術中に形状を整えるために、ダイアモンドバーなどで成形することができます。
術前のCTデータからCAD/CAMシステムを応用して顔面骨に適合した3次元形状の製品を作製することも可能ですが、高額になる欠点があります。多孔内に骨が侵入しますと強度は皮質骨に匹敵します。

II. 生体非活性

人工骨骨セメント(PMMA:POLY-METHYL-METHACRYLATE)
従来型のポリマー構造で、骨と直接接合せず、軟部組織が介在します。

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当院ではシリコンインプラントでは顔面骨の形状に沿わずに使用できない部位の骨充填や再建に使用しています。
主に額(前頭部)の形態を整えたり、ボリュームをアップするのに使用します。
本剤の特徴は粘着性のある流体から固形化されるまで10分ほどの時間があり、その間に患者様の好まれる形態にインプラントを細工できる点にあります。さらに硬化後には電動バーを用いて、丁寧に成形していきます。この作業は手術2日前までには終えており、その後ガス滅菌で保存して手術当日を迎えることになります。


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臨床応用における注意点

1. 加工性と操作性
骨再建には目的とする形状を持つ人工骨が必要です。そのためには以下の3つの方法があります。

1) あらかじめ目的とする3次元形状を持つオーダーメイドの製品として得られるもの
CTデータなどからCAD/CAMの応用で、ハイドロキシアパタイトやハイドロキシアパタイト+β―TCPの多孔体で行われることが多く、切削し、準備に一定期間かかりますが目的の3次元形状の人工骨製品が得られます。
2) 部位特異的3次元形状の製品に術中にある程度の加工を追加できるもの
前頭骨、側頭骨、などの形状に合わせたハイドロキシアパタイトなどの多孔体の製品や、規格化されたブロックの製品があり、ダイアモンドバーで術中に切削調整し、辺縁や底部など形状を適合させることができる。
3) 術中に可塑性をもつ硬化型の人工骨
術中に粉剤と液剤を混和して、練りながら目的形状に整えていきます。硬化型は理想の形状を得やすいのですが、成形された埋入体の表面には連通構造でない15ミクロン程度の孔はありますが、骨上皮の侵入はなく、骨接合性は低いとされます

 

軟部組織の反応

人工骨は基本的に骨膜下への骨の充填、補填を目的に開発されています。
したがって目的通りに使用さえすれば感染、炎症、露出などの合併症はほとんど考えられません。

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