オトガイ(顎削りなど)
オトガイ(あご)
オトガイ減量術 > 1. オトガイ短縮術(顎を短くする) > 2. オトガイ後退術(顎を引っ込める) > 3. オトガイ狭小術(顎を細くする)
オトガイ増大術 > 1. オトガイ前進術(顎を前に出す) > 2. オトガイ延長術(顎を長くする) > 3. その他(インプラント挿入術)
オトガイ部の施術概要
“あご先”のことを医学用語で、オトガイと呼びます。
オトガイ部の解剖
下顎骨はL字型の左右両半からなり、水平の骨部を下顎体、垂直の骨部を下顎枝といいます。 下顎の正中部の前面には両半部が癒合した部位を示す細い隆線が上下方向に走りますが、この隆線の下端近くにはオトガイ隆起という三角形の輪郭をした高まりを作っています。 この隆起の中心から外側へ2㎝弱隔たったところは特に膨隆するので、オトガイ結節と呼ばれています。 これらはいずれも境界が不鮮明な高まりですが、正中にあるオトガイ隆起と左右のオトガイ結節とは全体として下顎底の前方への突出を形成しています。 これをオトガイ(MENTUM,CHIN)と称します。 下顎体の正中線から3㎝程離れたところで、オトガイ結節の斜め上方にはオトガイ孔が開口しています。これは下顎管の出口ですが、オトガイ孔はむしろ後方に向かって開いています。

オトガイ部の解剖
1.減量術:Reduction
オトガイが長い、突出している、大きい(巾広)、左右非対称、の改善など
オトガイが短い、後退している、の改善
実際にはこれらの形態は複合的に存在することも多々あり、それぞれの要素をしっかりと把握して、バランスを見て手術法を検討する必要があります。 またオトガイ形成術は単独で行われることもありますが、下顎角(エラ)形成術、顎矯正術としばしば同時に行われます。 ここでは単独手術に関して詳述します。
術前の評価

オトガイ形態(正貌・側貌)
オトガイ減量術:Reduction
1. オトガイを短くする⇒水平骨切り術(中抜き法) 水平骨切り術は、オトガイ形成術のもっとも標準手術法です。 水平骨切り後に、末梢の骨片移動させることにより位置・形態を修正します。 主にオトガイの短縮に用いられますが、その他前進、後退、左右差の改善を行います。


オトガイ増大術:Augmentation
1.オトガイを前に出す⇒水平骨切り術/インプラント法 オトガイを前方に出す場合には、水平骨切り術とインプラント法があります。 1)水平骨切り術 オトガイが長くて後退している患者様では、水平骨切り術(中抜き)でオトガイ高を短縮しながら前進させる必要があります。 適応を誤ってインプラントを用いると、術後に長さがより強調されるため注意が必要です。 顎が後退している患者様では正面からではその長さが見落とされやすいため、必ず横顔での計測をすべきです。 2)インプラント法 短く後退しているオトガイの場合には、前進させることによりオトガイ高が長く見えるためインプラント法が適応となります インプラントによるオトガイ形成は局所麻酔下で行えるため、また術後の腫れを考えますと患者様にとっては低侵襲な方法です。
2. オトガイ中央部を長くする⇒オトガイ・スクエア骨切り術 適応はオトガイ中央の長さが30~32㎜程度の方です。 あご先が短くて平坦な場合には、顎の長さを足して、少し細くしながら長くするとバランスが良くなります。 オトガイ・スクエア骨切り術では、オトガイ中央部下端でBOX型に骨切りを行って、下方に延長してその両端を細くします。 術後のオトガイの長さは基本的には35㎜を理想とします。 なおその他の方法としては、インプラント挿入法があります。 シリコンインプラントなどで下方向へ延長する方法で、シリコンなどの細工は3次元実体模型に合わせることで微妙な調整まで可能です。シリコン以外では、メタクリル酸メチル、ハイドロキシアパタイトが用いられます。
症例



























