加齢に伴い上まぶたがたるみ二重の幅が狭くなってきた方は、重症のケースを除いてこの術式が適応されます。また元々上まぶたが厚ぼったい場合は、二重ラインで切開法を行うと厚ぼったさが増すため、この術式が適しています。余った皮膚を眉毛の下生え際ラインに沿って切除するので、傷が目立たず腫れも少ないのが特徴です。一重でたるみがある場合は、たるみは眉毛下で切除し、埋没法による二重手術を組み合わせる事も可能です。
本術式のポイントとして、1)切開線の位置、2)皮膚切除の幅、3)眼輪筋の処理、4)眉毛固定の必要性、などが挙げられます。
この術式の名称からわかるように、最終的な縫合線、すなわち傷跡は眉毛の下に残ることになります。この傷跡を限りなく目立たなくすることが手術の重要ポイントとなります。眉毛から少しでも離れた傷は目立つ可能性が高いため、正確に言うと眉毛の下側のうぶげの部位で切開することになります。その際にメスを入れる角度が非常に重要!となるのです。眉毛の毛根(包)を残すようにして、皮膚の断面で言うと斜めに切開すること(毛包斜切開)により傷跡周囲に眉毛が生えてくることになります。最終的に傷は眉毛で隠れるようになりほとんど目立たなくなります。
通常6~12mmの余剰皮膚を紡錘型に切除することになります。手術後には上まぶたのたるがこの切除幅に応じてなくなるのですが、実際には眉毛の位置も下がってくるため、完全に予測するのは不可能です。医師の経験が大きくものを言う手術のひとつであります。
皮膚切除の際に、厚い皮下脂肪は切除することになりますが、症例に応じて眼輪筋を切除することがあります。眼輪筋を切除することにより、一層手術効果が高まります。
本手術後には、眉毛の位置は必ず下がります。術前に眉毛の位置が高く、目と眉毛が離れて間延びした表情の方には、非常に優れた方法であるといえます。一方、手術前より額のたるみにより眉毛の位置が標準よりも低い場合にはこの手術ではなく、内視鏡下眉毛挙上術が適応になります。
最も難しいのが、眉毛の位置は術前にちょうど良い場合で、この場合には上にも下にも眉毛を移動させたくないことになります。その場合には眉毛下皮膚切除術の際に、前頭骨(額の骨)の骨膜に、眼輪筋を縫合・固定して眉毛の下降を防ぐことが出来ます。この操作を眉毛固定術といいます。
麻酔法は局部麻酔、静脈麻酔を選択できます。手術は約1時間で終了し、通常は5日目に抜糸を行います。
この手術は上眼瞼除皺術と比較して、術後の腫れが非常に少ないことが特徴として挙げられます。抜糸後は眉毛の下の傷跡は眉墨で隠すことが出来ます。
眉毛下皮膚切除術は、手術自体はとても簡単なのですが、縫合テクニックとともにこのようなさまざまなポイントがあり、経験あるドクター選びが重要です。決して皮膚を切除して縫うだけの単純な手術ではなく、奥の深い手術であります。
眉毛下切開術は、上瞼(まぶた)を切開しないで、たるみを取る施術です。眉毛の下のラインに沿って切開し、たるみを除去しますので、傷が目立ちません。
もともと上瞼(まぶた)が厚い方は、二重のラインで切開法を行うとさらに厚ぼったさが増しますので、この施術が適しています。非常に腫れが少ないのも眉毛切開術の特徴です。
一重で上瞼(まぶた)のたるみが強い方は、たるみはこの施術で取り除き、スクエア・マルチプル・ノット法で二重にします。
術前
術後1年3ヶ月